Sunday, May 14, 2017

Jamila Lyiscott: 3 ways to speak English




【私がこの動画をお勧めする理由】

 外国語として,言い換えれば理科や社会科のような教科として,勉強の対象として英語に向き合うことの多い私たちは,どうしても「正しい」英語を使えるようになることを求められます。それでは,英語の「正しさ」とは一体どこにあるのでしょうか?
 彼女は,家と学校と友人間とで,意識的に三通りの英語を使い分けます。英米を基準とする英語至上主義に嫌気がさした彼女は,いわゆるブロークン・イングリッシュや黒人英語を,アメリカ英語と同じように,平等に扱うことに決めたのです。彼女にとっては,これら三つのどれもが ”articulate” です。なぜなら,彼女は彼女自身として”articulate” なのですから。
 彼女の力強い言葉とリズムは,言語の奥にあるメッセージを私たちの心へと叩きつけます。短いながらも印象的で,深く考えさせられる動画です。


【印象的な英語表現】

 “This is a linguistic celebration.”

征服と奴隷化の歴史の中で,彼女の先祖たちが話していた言語は奪われ,その代わりに英語を話すことを強要された結果,いわゆるブロークン・イングリッシュが生まれました。それを誤った英語としてではなく,複数の言語が組み合わさることで新たに生まれた独立した言語として捉える彼女にとっては,ブロークン・イングリッシュを話すことは”a linguistic celebration”,すなわち祝われるべきものとして肯定されるものなのです。日ごろ英語教育について考える中で,つい「正しい」英語を追求してしまう私に取って,この言葉には大きな衝撃を受けました。


【投稿者】
ふみ

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