https://www.ted.com/talks/christine_sun_kim_the_enchanting_music_of_sign_language/transcript?language=en
【私がこの動画をお薦めする理由】
ー手話で「音楽」。
これを聞いて、違和感がある方もいらっしゃるかもしれません。ただ、ここで言われている「音楽」は、必ずしも聴覚が受け取る音声的刺激に限定されていません。少なくとも僕は、もっと広い意味ーあるリズム的な表現から生じる心の動きやわくわく感ーと理解しました。
プレゼンターは、ASL (American Sign Language) を用いてトークをします。(音声は、手話通訳の方が話しているものです。)Christine の手話を観ていると、たとえ手話を知らない人でも、少しずつ分かってくるような感覚になります。Christine は手の動きだけでなく、表情や視線、体の動き、呼吸など、あらゆる手段を使って私たちに訴えかけてくるのです。
この動画を観る私たちも、たとえ手話が分からなくても、手話の伝える「音楽」を楽しむことができるかもしれません。
【印象的な英語表現】
So it's amazing to see how ASL is alive and thriving, just like music is.
手話が alive で thriving というのが面白く感じました。上の話に引き寄せるなら、たとえ分からない言語でも(中高生にとっての英語でも)、alive and thriving なら、「音楽」を響かせることはできるのかもしれません。
(逆に、dyingな言語のみを教えていなければ良いのですが・・・笑。)
【投稿者の名前かニックネーム】
mochi
http://mochisava.blogspot.jp/
【この動画をお薦めする理由】
この動画でスピーチをしているKimさんは、声を出して話している訳ではありません。ASL(American Sign Language)を用いてスピーチをしており、目の前の手話通訳の方が彼女の声となっています。会場は静まり返って、Kimさんの手話に耳を澄ませているように感じられます。このKimさんの非常に豊かな表情と身体表現をみなさんに見て頂きたいです。字幕もなくしてその動作と表情を見ていると、声を発することに匹敵するくらいに想いを伝えています。何も音声言語にしていないのに、彼女が伝えようとしている心情、あることに気がついて世界が開けた瞬間や不安を感じるときの心情が身にしみて伝わってきます。lookとstareも指と表情だけで表現し分けます。
個人的には、聞こえにくいことは、見えないこと以上に想像しづらいものだと思っています。目を閉じれば真っ暗な世界をある程度想像できますが、どれだけ自分の耳をふさいでも、何かしらが聞こえてきます。Kimさんは生まれつき耳が聞こえず、音は自分には関係ないものだと教えられました。しかし、彼女はそれは真実ではないことを発見します。音の「エチケット」に関しては、何の問題もなく聞こえている人よりも敏感だろうと言います。彼女には、音は視覚的に見えるものであり、概念でもあるのです。社会は音がないというだけで手話を重んじていません。しかし、この動画を観るだけでも分かるように、手話は豊かに「話し手」の想いを伝える言語です。Kimさんはこの手話の素晴らしさを共有しよう、とわたしたちに語りかけます。ダイバーシティ・マネジメントという言葉も聞かれるようになった今日、手話の世界を覗いてみるのは魅力的なことではないでしょうか。
【印象的な英語表現】
This
is my drawing of a p-tree, which demonstrates
no
matter how many thousands upon thousands of p's there may be,
you'll
never reach complete silence. That's my current definition of
silence: a very obscure sound.
“p”とは、音楽における記譜上の強弱記号で、「弱く」演奏することを奏者に求めるものです。pが二つならさらに弱くし、pが多ければ多いほどとても弱く演奏しなければなりません。Kimさんは、pがいくつ並んでも、”silence”にはなりえないと言います。私はそれを聞いてはっとし、聞こえることと何も聞こえないこととの間に大きな乖離があることを思わされました。
Then "past," "used to" and the last one,
which is my favorite, with the very romantic and dramatic notion to it, "once upon a
time."
英語表現が、というよりむしろ手話の表現が印象的だったのでこの文を紹介したいと思って書きました。この手話は両手を滑らかに動かして物語の時代まで遡るような流れを作る美しい手話で、Kimさんがおっしゃっているように、ロマンティックです。”Once upon a time”という文字上の意味だけでなく、遠い昔に紡がれた美しい物語の始まりを思わせる、豊かな表現だと感じました。
【投稿者】
coli
[私がこの動画をお勧めする理由]
「耳が聞こえない」とはどういうことか考えたことがありますか?私は耳が聞こえない世界には音がないのだと考えていました。私たちの多くは日ごろ好んで音楽を聴きますが、耳が聞こえない人には音楽などないのだと考えていました。「音が聞こえないのですから、当然しょう?」20分前、この動画を見る前の私であれば平然とこのようなことを口にしていただろうと思います。
この動画における『話者』は生まれつき耳が聞こえません。ですが、彼女は私たちに力強い言葉でもって、そして楽しそうに語りかけいます。私たちは音が聞こえることが当たり前だと思っていませんか?音が聞こえない人々への配慮が十分であると言い切れますか?耳が聞こえなくても、音は聞こえます。音がなくても音楽は楽しめます。声がなくても会話はできます。さあ、音のない言語を楽しんでみませんか?
[印象的な英語表現]
Sound was very much a part of my life, really, on my mind every day.
今回の話者であるChristine
Sun Kim氏は耳が聞こえません。そんな彼女が言ったからこそ、この言葉は大変印象的でした。
[投稿者] Tonto